有料テイスティングだけでは…
5月、青山ファーマーズマーケットで、日本茶のテイスティングイベントをしました。今まで、数回日本茶のテイスティングイベントのお手伝いをしてきましたが、今回過去と大きく異なるのは次の2点です。
1. 有料。12種類の日本茶の飲み比べで、1,000円!
2. フィルターインボトルを使った水出し。お湯と急須の世話がないので超簡単。4名で余裕のオペレーションでした。
結果。青山という立地の良さはもちろんありますが、11時から16時で70名が1,000円払ってテイスティングをしてくれました。有料のイベントは客層がいいのだな、ということも実感しました。
もともと、青山ファーマーズマーケットは、土日常設でお茶農家の方が出店されています。けれど5月の新茶シーズンになると皆さん茶畑にいて出店できない。そこで、主催者の方から声をかけていただいて、いつも出店されている6件の農家さんのお茶を各2種類、テイスティングをするという企画だったのです。
但し、テイスティングをした後に物販につなげるのは難しく、フィルターインボトルの売上は2本。皆さん「あー楽しかった! 家に帰ったらアマゾンでこのボトル探すわね!」というノリで、大きな課題を感じました。
体験をセットにして価格競争から抜け出す!
そんな中で、今年の消費者座談会の旅。このテイスティングイベントの話をすると、モニターの皆さん「行きたーい!」「面白そう!」と絶賛してくれるのです。でもきっと、この人たちも、「ボトルは最安値を探すわね。」とテイスティングだけを楽しんで帰る可能性が高いのだろうなー、とも感じました。
テイスティングイベントを物販につながる仕掛けにしないと、きっとお茶屋さんは継続的な取り組みとして評価しにくいと思うのです。消費者が日本茶に目覚めるきっかけのテイスティングイベントをお茶屋さんの物販につなげるには、どうしたらいいんだろう???
そんな時「くるくるドライヤーを定価で販売した家族経営の家電のお店の話」の記事を見つけました。このお店、定価でこのドライヤーを購入すると、上手にドライヤーを使える美容師さんの無料レッスンチケット付にしたそうです。定価なのに面白いくらい売れた理由を、執筆者は「くるくるドライヤーというモノ」ではなく、「一生上手に髪をセットできるコト」の販売に進化させたから、と分析していました。札の切り方が大切で、最初に有料でレッスンをして「よかったら買ってね」という方法だと、今の消費者は通販最安値でモノを探すので要注意だそうです。なーるほど!!
購入したらキャッシュバック!?
そして台風近づく7月上旬、都内のお茶屋さんの店頭。テイスティングと物販、こんなやり方でチャレンジをしました。
500円で10種類の日本茶の飲み比べ。その場で当日使える500円のキャッシュバック券をお渡し。この券を使ってフィルターインボトルとお好みの日本茶を購入していただくと、テイスティングは実質無料となるワケです。
結果11時から16時で、フィルターインボトルとお茶セットは60~80本くらい売れ、イベント参加者は120名でした。この方法、一つの成功事例と思うのですが、いかがでしょう?
また副産物として感じたことは、新規客には、このやり方でOKですが、常連客さんには、ひねりが必要。ボトルを購入すると試飲が無料でできる、とか、「あなただけに内緒で」と先に試飲させてしまって、ボトルの説明をして購入に持ち込む方が有効だったりしました。このさじ加減がお店の臨機応変な販売力なのかもしれません。この夏を日本茶リーフの味方につける、テイスティングと物販の融合のご提案です。