消えモノと福袋

消えモノ志向?

 今年の座談会で、ワタシが初めて聞いた言葉に「消えモノ」というのがあります。頻度は少ないのですが、なんとなく流行に敏感な感じの人が使っていたので気になりました。「結婚してからきちんとしなくちゃと思ってお中元とかするようになったのですが、やっぱりもらった人が困らない消えモノになりますね」「いくら好みを知っているつもりでも、消えモノでないプレゼントをするのは勇気がいります」みたいに使われます。

 カンタンに言うと、「消えてなくなってしまうモノ」という意味のようです。食品は、消えモノの代表格。他に入浴剤とかお香とかお花とかが挙がります。消えないモノを贈るのは厚かましい、というような感覚があるように感じました。
一方、消えモノ主体だけど、ちょこっと消えないモノがくっつくのは許されるようで、抹茶に小さい白磁の湯呑みに竹マドラーのセットなどは、とても喜んでもらえた、という話が出ました。

福袋志向?

 あともう一つ驚いたのは、今定番で購入しているお茶屋さんをなんで知ったのか?という質問に対して、「福袋で知った」という人が、50人中3名もいたんです。私自身、ぜーったいに福袋を買わない人間なので、「うそーっ!」と絶叫してしまいました。だって、福袋って、自分の欲しくないモノが入っていても文句は言えないし、自分自身にとってコストと見合っているかどうか、確認せずにお金を支払うんですよー。

 でも、座談会参加者は「中身が確認できなくても消えモノならいい」と言うのです。その上、お茶って何を飲んだらよいかよくわからないし、なかなか冒険するきっかけもないから、福袋のお茶はワクワクするそうです。

福袋で日本茶ビギナーをトリコにする?!

福袋も色々あるようですね。一つのお茶屋さんが色々な福袋を出していて、同じ価格でも「贅沢おひとり様用」とか「わいわい団欒用」とかあるんですって!きっと、お茶のグレードや容量を違えているのだと想像しますが、ふだんのお茶の売り場POPにも活用できそうな切り口だなあ、と思いました。
ボリューム系の福袋には、かりんとうとかお煎餅とかの日持ちのする定番の茶菓子が入っていて、お茶屋さんがセレクトした、ちょっとグレードが高そうなこだわりの茶菓子として歓迎されていました。へええ、そうなんだー。。。。確かに、茶菓子もお茶も消えモノですものね。「お茶屋さんて、一見さんでぐるぐる色々見るのがワルイ雰囲気があるじゃないですか?でも福袋だと、ぱぱっと選べるのに、色々な種類の商品が入っているので敷居が低いんです」という発言もありました。
そうそう、駅ビルや百貨店の企画では、テナントに入っている色々なお店のコラボの福袋もあるのだとか。複数のお茶屋さんのお茶が、一つの福袋に入っていて、それを飲み比べて「今年はこのお茶屋さんにしよう」と決めるというツワモノもいてビックリ。初心者の入り口としても、福袋は使えそうです。