令和の茶器「刻音(ときね)」

ヘビーユーザーの勘違い

刻音(ときね)という沈殿抽出式のティードリッパー。通販生活さんのサイトで、「令和の茶器」と紹介されました。「日本茶の繊細な香り・旨み・渋みを誰でも引き出せます」というコピー。
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日本茶ヘビーユーザーの私は「急須で淹れる方がカンタンで確実」と思っていたけれど、それは普段急須を当たり前に使っているヘビーユーザーだからこその大いなる勘違いのようです。

山のお茶試飲会

静岡県茶業会議所さんが開催した「急須と刻音(ときね)を用いた山のお茶試飲会」では、一般消費者からは、「急須と刻音、同じお茶とは思えないくらいちがう」「刻音はクリアで個性が尖る」「急須はバランスがとれた味わい」と評されました。どちらが正しい、ではなく、ちがいが面白い、という感想が主。
また、急須で淹れたお茶は単体で100点の主役だが、尖った刻音のお茶は、お菓子や食材との組み合わせで表情が変わりエキサイティング! 正解はひとつじゃないんだなー、と実感しました。

淹れ方の選択肢を増やす

お茶屋さんや日本茶ヘビーユーザーのような玄人が淹れるのであれば、急須は100点、刻音は90点。急須を使い慣れない素人が淹れるのであれば、急須は30点、刻音は80点。
お茶が、「淹れる」腕前によって大きく出来栄えを左右されるのであれば、素人にとっての50点の差は大きいのかもしれません。
そもそも、素人さんは、味そのものよりも、お茶の滴る音、ガラスサーバーの中の透明感のあるお茶の色、広がる香りに加点します。どちらが優れている、というのではなく、選択肢が増えたと考えたいですね。