茶業に携わるたくさんのガンバル人の中から、とびきりの頑張りやさんをご紹介するこのページ。 |
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もともとはお茶の加工場で工場長も含め13年。その後袋布向春園の営業を担当していました。その頃、2005年ですね、単なるお茶葉ではなく、何か新しいことを提案したいと思い、青い茶葉をほうろくで炒る「先代すえばあちゃんの炒ったら焙じ茶」を商品化しました。炒る前の茶葉と陶器屋さんとコラボしたほうろくのセットです。いつも炒りたてのほうじ茶を飲み、何よりもほうじ茶が大好きだったおばあちゃんの名前をとって商品名とし、フーデックスに出展しました。予想以上に好評で、まず懐かしい香りに喜んでいただき、「焙じ茶ってもとは緑の緑茶なんですね!」と驚きの声が上がり、「炒る」という行為を知らない日本人が沢山いることに気づきました。 | |
これがご縁で、日伊相互文化普及協会のスローフード祭やジャパンフェスタに出展し、イタリアでもほうろくで焙じ茶を炒るパフォーマンスをしたんです。そしたら、イタリア人も日本人も反応は同じ。パフォーマンスをすれば、お茶に興味を持つし、たくさん質問も出るけれど、こういうきっかけがなければお茶のことは何も知らないで過ぎてしまう。 | |
今まで、会社の中で「お茶を売る」ことばかり考えて行き詰まっていたけれど、「売る」前に大切なのは「伝える」こと。今日の売上、つまり今日のメシのことに追い回されてばかりではなくて、明日のメシ担当として、一会社の枠を超えて「お茶を伝える」ことを仕事にしようと、袋布向春園を退社しました。 |
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子どもさんや若い方が来店するお茶屋さんにならなければ未来はありませんから、そのためにどうしたらいいかな、と常に模索しています。基本は100グラムのお茶をチャック付袋に入れて販売していますが、ほぼ全種類、1回分の小分けにして100円から200円で購入できるようにしてあります。手間はかかりますし、利益もギリギリですが、若い女性は、かなりの割合で小分けパックを数種類購入して飲み比べるところからスタートしますね。先日も1回分150円の上等な玄米茶を「これは私の特別頑張った日に飲むために買います」とおっしゃる若いお客様がいらっしゃって、「玄米茶は日常茶」などと売る側が決めるのはズレているんだな、と改めて実感したところです。 |
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給茶スポットはスタート時からエントリーしていますが、加速度的に利用者は増えていますね。何本も水筒を持参されて、「これには炒りたて焙じ茶、こちらはシャカシャカ抹茶、これはロックDEお茶!でお願いします」というような方もいらっしゃいます。スタンプラリーも年々参加者が増えて、集計結果が全国で2位だったのも励みになりました。 |
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売り出しをやめるという冒険もしました。3年前まで売り出しをしていましたが、売り出しを狙って来店されるお客様ばかりになってしまって、普段来店してくださるお客様に還元できていないじゃないか、と気づきました。それならばお誕生日に500円の割引券を差し上げて還元しようと。売り出しをやめても利益は落ちなかったですよ。 |
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