お茶はカラダを冷やす?!

健康の敵だなんて‥  

 お茶が健康に良い、ということは、カテキンという言葉の認知度が上がるのと共に、もはや「ジョーシキ」のレベルになっていると感じていました。ところが今年の座談会では「健康のために緑茶をガマンしている」という発言が複数聞かれました。
エッ! どういうこと?????
どうやら最近の健康本(それもベストセラーらしい)の中では、お茶は悪役みたいなのです。だって先日の東京の座談会では、午前の若い人組も午後のアンチエージング組も、「健康のためにはカラダを冷やしてはいけない」「緑茶はカラダを冷やすので飲みたいのをガマンしている」「陰性の緑茶が紅茶になることで陽性になるので、身体を温めるために紅茶を飲んでいる。総じて茶色の飲み物の方が健康に良い」「緑茶をガマンしたら冷え性が治るらしい」など、耳を疑う発言ばかり。それもかなり自信マンマンの理論武装です。


クチコミ誕生?!

こういう風潮をチェックして物申す仕組みが欲しいなあ、そもそもその健康本の言っていることの根拠は何なのかなあ、と悔しい思いをしました。
自分が「からだにいい」と信じていたものを覆す発言に出会うと、皆さん「なぜなぜ?」とすごく興味を持ちますね。そうすると「緑茶はカラダを冷やすからダメ」という発言をしている陣営は、まるで伝道師のように流暢に本の受け売りをします。「嗚呼、これこそがクチコミ誕生の瞬間!」という感じで、きっと何人かの出席者は帰宅してからインターネットで調べたり、友だちに話したりしたのではないかしらん?


機能性ではない「ココロ」の指標

一つ感じたことは、「健康にいいから」「美容のために」という風に、ある意味「機能性」を評価して緑茶を飲んでいる人は、こういうアンチ緑茶の健康情報に翻弄されていきます。 一方、「心が安らぐ」とか「ほっとする」というような、機能ではなく「ココロ」の部分でお茶を選んでいる人は、さほど動揺しません。
 お茶を広げるために有効なのは、健康や美容といった機能を強調することよりも、いかにココロの琴線に触れるか、どれだけ「お茶葉を売ること」から「お茶の時間(ティータイム)を売ること」へシフトしていくか、なのかもしれないな、と考えさせられました。