ほうろくでほうじ茶

焙じたらすぐに試飲

戸越銀座に出した実店舗で、週末は店頭で茶器の実演販売をしています。特に、盛り上がるのは「ほうろく」の実演販売です。
店舗で販売している茶葉ではもったいないので、会社にあった名も知れぬ茶葉を焙じるのですが、香りが漂い始めると人が寄ってきます。「あっ、お茶屋さんの匂いだー」なんて声もあがります。
カセットコンロの上でほうろくで焙じて、出来上がったらフィルタートップポットにほうじ茶を入れて、ポットのお湯を注いで紙コップで試飲する、という流れです。一回分くらい、少量ずつ焙じた方が、時間がかからないし、オペレーションがうまくいきます。

緑茶からほうじ茶が出来る?!

質問で一番多かったのは、「ほうじ茶って緑茶から作れるんですか?」とか「ほうじ茶の木と緑茶の木は同じなの??」というもの。そもそも、緑茶を焙じたらほうじ茶になる、ということが、ショーゲキの事実であり、サプライズなんです。
途中から、焙じる前の緑茶と、ほうろくで焙じた後のほうじ茶を並べて置いて、香りが漂い始める前には、焙じながら「緑のお茶を焙じると茶色くなるんですが、それがほうじ茶です。見ててね」みたいに、手を動かしながら語ります。

押し付けるのではなく惹きつけたい

気を付けたのは「ほうろく売りたい」感を出さないこと。具体的には「おうちのフライパンでもできるから、やってみてね。その場合は濡れた布巾を近くに置いて、時々その上で温度を下げながら焙じてね」と説明。
お茶についても、「おうちのお茶でできますよ」にとどめて、お店に置いてあるお茶ではもったいないのでオススメしない、と言って、推さないこと。
お茶以外の使い道も「ゴマ」「茹でた栗」など話すと「へえー」となります。それで、売れたほうろくは4個。でも、いつもより、物販はぐっと伸びました。ほうじ茶の茶葉やティーバッグがぐっと売れたり、試飲に使っていたフィルタートップポットが売れたり。
10坪の小さなお店。まずは日本茶を好きになってもらうことから、試行錯誤しています。