乾物カリスマ!?

▼ ナマクラ流ズボラ派!?

奥薗壽子さんという方、知っています?おくぞのとしこさんと読みます。
この方、肩書きは「ナマクラ流ズボラ派家庭料理研究家」。座談会で、「日本茶も清く正しい飲み方ばかりに固執しないで、基本は押さえているけどこんなに簡単に本物が味わえるよ!というオクゾノさんのようなカリスマが現れた方がいいですね!」という発言があって、「誰ダレ、その人?」と私のアンテナに引っかかっていました。そして数冊著書を読み、先日は講演会にも出掛けて、「なるほどなあ!」と思った次第。

▼ 発想の転換で再発見

彼女の基本は、「料理は楽しくシンプルに」。たとえば昆布のダシを出すのに、チョキチョキ小さく切った昆布を一緒に炊いちゃうとか(後で一緒に食べちゃうので栄養満点!)、ひじきをザルで戻さずにお鍋の中で戻してお鍋の径よりちょっと小さいフタで押さえながら水を切るとか(こうするとザルの目にひじきが詰まる面倒が回避されとても快適!)、今まで当り前だと思ってやっていたことをぐるんと180度回転させて「ほーら簡単でしょ」と再発見させてくれる感じ。
特に「もっと使える乾物の本(農文協)」という著書を読んでからは、ハシモト家の乾物消費量は格段に増えました。だってね、切干大根も干椎茸もひじきも昆布もお麩も、「戻す」というちょっと敷居が高いプロセスをいとも簡単に低くして「いい加減・テキトーに作っても結構おいしいんだ!」という感動がある。全然インスタントのものは利用しないのに!もともと乾物は保存がきいて栄養価が高いことも知っていたのだけれど、手間を考えるとどこか尻込みしている自分がいたのだなあ、と逆に思い知りました。
▼ 生活者の実感がポイント

それともう一つ。彼女の特長は生活者の実感。もともと料理の本の撮影もご自宅のマンションのキッチンでしているし、「こんな風に空き瓶に保存させておくと便利。」とどこまでも仲良しの料理上手のお友達のお宅で色々裏ワザを伝授してもらっているような感じ。実際の講演会では、ベビーバギーに子どもを乗せたヨチヨチ歩きの子どもたちのお母さんがいっぱいで、その人気の高さにビックリ!「今の若い者は‥」なんて先入観はガラガラと崩れ、「おいしいヘルシーな家庭料理を作りたい。食べさせたい!」という情熱に圧倒されました。
「これが正当な日本茶の淹れ方」という高いところに立つスタンスでもなく、妙におしゃれで「こりゃ帰って自分ではやらないわ」という生活感のないスタンスでもなく、生活者として地に足が着いてる感じで日本茶のおいしさを敷居低く伝えられたら、まだまだ子育て世代をGETできる可能性があるのでは?!と強く思いました。