和風いろいろ

世代によって、好みの「和」は異なる   
 

 「和がスキ」「和に癒される」というフレーズは、最近の座談会でしばしば聞かれます。でも、一口に「和」と表現されていても、実際に指すイメージは多様です。にぎやかなもの、シックなもの、きらびやかでゴージャスなもの、すきっと粋なもの、などなど。デザインをご依頼いただく時に「和のイメージを大切にしたデザイン」というご依頼をそのまま持ち帰る営業は、「デキナイヤツ」。 もっと突っ込んで「どんな和のイメージか」を掴むことが必須です。 先日、当社のデザイナーが参加した外部研修会で、面白い報告があったのでお伝えしますね。それは、好みの「和」は世代によって異なる、というお話。  

 


40代は小紋やうさぎ?!

 『団塊世代(50代後半から60歳)女性はハードでクラシックな民芸調(和ダンス等)を好むが、40代女性はかわいい和(小紋・うさぎ柄等)を好む。

 30代はシンプルな和(青系・縞)、20代は祭りの賑やかな和が好み。それぞれ違う好みを持ち、一口に“和風”といっても様々である。クラシックな民芸調が好きな団塊世代は、40代女性の好むかわいい柄をあまり好まず、同じく40代女性はクラシックな民芸調を好まない。世代別の“和”の感覚に違いがあるので注意が必要。』ということです。
 『よく、営業さんから「和風で」とか「洋風で」とか言われて、なんとなく分かったような気になっていることがありましたが、もっと突っ込んで、どんな和風か、お得意先はどの世代の方なのか、どんなお客様をターゲットとした商品なのか等を、知らないといけないと思いました。』と研修報告書にありました。なるほどですね!


ディープに顧客をイメージする

 “和”については、世代別に傾向があるようですが、ライフスタイルでターゲットを明確にしなくちゃな、と思わされることも最近の座談会では多々あります。

 手作り・自然食・ロハスというライフスタイルは、独身でもDINKSでも子持ちでも団塊世代でも増加傾向ですが、有機栽培ではなくオーガニックという言葉を使う人たちは、世代を問わず同じ空気感があるのです。
知的であること、座談会でも“ちらり”と知性をのぞかせる感じでイニシアチブはとりませんが、何となく侮れない雰囲気があって一目置かれる感じです。こういう人は、“本当に良いもの”という価値観があって、揺るがない。
 このように、少数でもディープな顧客をイメージしながら商品開発をすると、今までとは全く違う物語のある商品開発が出来るかもしれませんね。