販売員のリアリティ
先日のグルインで、「口先だけのセールストークか、本当にその商品に惚れているか、すぐにわかる!」という話題で盛り上がりました。 なぜわかるか?! 販売員の話のリアリティが全然ちがうのだそうです。会社の商品説明マニュアルを流暢に話しているのではない、実際のユーザーとしてのリアルなトークに、お客様は心を動かされるようです。 「確かに、今、ディスカウントストアに行けば、類似品が半分以下の価格で売られていますよね。私も、なんでこんなに高いの?って最初は思ったんです。でも実際に使ってみたら・・・」という感じで始まるトーク。悪い部分、負けている部分(ここでは価格ですね)を素直に認めた上で、それを上回る価値がどれだけあるのかを伝えられたら、「安物買いの銭失い」の経験をしている人は多いので、「なるほど」と納得してお財布のヒモがゆるむ、ということです。 |
ヘビーユーザーのパワー
実際に、お茶屋さんの店頭でシャカシャカ抹茶のイベントを始めた当時、象印マホービン製のステンレスボトルは「高いっ!」「●●の広告では1本500円以下のボトルが載ってた!」という言葉をいただくことがとても多かったです。お茶屋さんに「いくらメーカー品でも、こんなに高けりゃ売れないよ」とぼやかれたりもしたのですが、当社の社員は、私を筆頭に「全社員マイボトル生活」を義務付けられていますので(笑)、リアルトーク炸裂! 「朝8時にロックで淹れた緑茶が、灼熱の営業車の中でも夕方4時まで氷が溶けないんです」「フッ素コートは象印だけの特許なので茶渋がつかないんですよ。私も安いのを買ったけど、茶渋がついたのをゴシゴシ洗ったらキズが入って錆びたりして。結局高い買い物でした」「安物を使っている時には、カバンの中でお茶が漏れてビショビショになったりしたんですが、象印さんのだと倒れても漏れたことがないんです」「娘は350mlサイズですが、息子は500mlの片手でパカッとフタが開くのがお気に入りです。自転車に乗りつつ飲むみたいです」などなど。販売員の方自身が商品のヘビーユーザーであれば百人力です。 |
自腹で買ってこそ!
駅弁を日本一販売するパート主婦のお話を聴いたことがあるのですが、全部の駅弁を自腹で食べる、と言っておられました。会社の開催する試食会ではなく、「自腹で購入することがポイント!」と力説されていました。主婦目線のコストパフォーマンスが腑に落ちて、トークがどんどん磨かれる、とのこと。主婦が、ほか弁なら500円以下で抑えられるのに駅弁で1,000円使う。その背中を押すためのトークは、「旅の始まり」を楽しくスタートしたい、という秘められた願望に応えるような明るく気持ちよくワクワクする会話の応酬。そこに「これすごくおいしくてボリュームあって大好きなのに、人気がなくて悲しいんですよ。なぜかな?このネーミングが野暮ったいのかな?私の中では三本の指に入る大満足弁当なんですよ。肉系が好きなら、絶対オススメなんだけど」という感じで、相手と会話していくとのこと。それも、必ず、お弁当の仕分けや整理をしているフリをして、お客様の横に立つ。相手のパートナーという立ち位置が、販売の秘訣とのことでした。 |