使い手がつけるキャッチコピー
消費者座談会はテーマを絞って開催します。1995年からずっと続けてきて思うことは、「どんな要望がありますか?」というアプローチでは建て前しか聞けないということ。実際に「どうしているか?」という実態をきちんと掴んだ上で、「どうしてそうするのか?」を深掘りして聴いていくと、本質的なコトが見えて来ると思うのです。
結構収穫があるのは、座談会が終わった後に、ちょっと別れがたいという感じで残っているヒト達が、今日会ったばかりだというのに、「さっきおっしゃっていたタニタみたいな旅館の名前を、もう一度教えていただけますか?」とか「さっき話していたイケメン書道教室の場所、教えてくれます?」とか「キッズスペースがある居酒屋さんって、いつまでに予約すればいいんですか?」という感じで自由に情報交換をしている時間です。
わざわざ情報を取りに行くということは、心の琴線に触れて「自分も欲しい」「自分もやってみたい」と思ったということ。これがクチコミなんですね!
クチコミになる共通点は、「短いキャッチコピーで集約できる」ということ。低カロリーの野菜中心メニューの温泉旅館は「タニタみたいな旅館」、若い男性が教える書道教室は「イケメン書道教室」、子どもが遊べるスペースがある居酒屋さんは「居酒屋キッズスペース」。案外、サービスを提供する側が名づけるよりも、そのサービスを気に入って使っている人が名づけた方が、エッジが効いていて面白いのかもしれない、と感じました。
クレームと感想のちがい
特に50歳以上の会の女性達は「ほんとに今日が初対面?」というくらい仲良しになって、一緒に駅まで連れだって帰る方が多いのですが、席を立ってから三々五々話している会話はかなり本音と思うので耳を澄ませます。
何よりも、最近へええーっと思ったのは、「最近の店は、感想をクレームのように受け取りがち」という話題でした。「最近のお店って、ちょっと思ったことを口にするだけでクレームみたいに受け取られるのよね?」「そうそう。このおばさん、クレーマーだって感じで警戒されていきなり奥に引っ込んでえらい人が出て来たりして」「この前の方がおいしかったとかって、ちょっとした感想を言うと、クレームって受け取られるのよね。そういうこと、普通に会話できる店が少なくなった」「返品とか値引きじゃなくて、感想を聞いて参考にして欲しいだけなのに~」「わかるわかる〜」とえらく盛り上がっていたのです。
イケテル販売員さんは開口一番「そうなんですね。教えてくださってありがとうございます」と言うそうです。ダメな販売員さんは「●●なのでそんなはずはない」みたいに自分の正当性を主張するそうです。一番多いのは、すごく困った顔をして、店長さんとかにつなぐパターンなのだとか。。。。
なるほど、座談会後のよもやま話、勉強になります!