秋のお茶はいわゆる熟女!?
新茶内覧会で熱烈なご要望をいただいた「勉強会でやった売り場を再現するためのツールが欲しい」「“いいなぁイケテル”と内覧会で思っても自店に帰ると忘れてしまうので、POPそのものを販売してほしい」「季節のパーソナルギフトの陳列参考例を冊子にして販売してほしい」というお声に背中を押され、全74ページのPOPヒント集が完成しました。
茶事記でもご紹介している椿宗善さんの山口社長のマーケティング講座を参考に、「えっ、と二度見したくなるようなPOP」「心に引っ掛かる違和感を抱かせるようなPOP」を求めて、企画課の女性社員2名が試行錯誤した力作です。たとえば「新茶はボジョレーヌーボー、秋のお茶は熟成ワイン」とか。「秋のお茶はいわゆる熟女。カドがとれて、まるみを帯びて」とか。このほんの数行をひねり出すために、過去の座談会の消費者の発言や反応をひも解きながら、うんうん唸ったわけです。消費者は、売り手の説明は聞きたくない。「おいしい」とか「こだわっている」と言わずに、専門性を感じ「なんのこと?」と手に取っていただくように心を砕きました。
半月に一度、変化する
今回のPOPヒント集は、秋冬バージョン。敬老の日、秋のお茶、お月見、ハロウィン、いい夫婦の日・勤労感謝の日、喪中見舞い、クリスマス、冬の贈り物、福袋、新年のご挨拶、初春、受験。9月から1月までの12の売り場が作れる内容です。POPとパッケージを使ったボリューム陳列もご提案しています。
半年で12の売り場を提案できるということは、単純計算すると半月ごとに店の陳列を変化させましょうということ。「お茶を買おう」と思っていなくても、POPや売り場を見て「これもいいかも」と思わせられればお茶の出番を増やすことができます。特に自家消費にとどまらず、ちょっとしたプレゼントやお持たせに選んでもらえるチャンスを作ることを狙いました。何よりも、あの店はいつ行っても和テイストの気の利いたアイテムがある、と感じていただけることが、パーソナルギフトに選んでいただく第一歩だと思うのです。新しいお客様、一見さんを獲得するための試みです。
お茶のストーリーを絡める無限の可能性
そうは言っても、私たちはパッケージ屋なので、中味のお茶については語れません。そこが曖昧なまま、POPを作る限界も歯がゆさも感じましたし、お茶屋さんがご自身のお茶とストーリーを絡めて訴求できる無限の可能性を感じることもできました。
巻末に筆ペンを使ったPOPの書き方もご紹介しています。成功事例をシェアしながら、ぜひぜひ「最近のお茶屋さんて変わったよね!」「なんかいい感じ!」と言ってもらえるような変化をして、未来の需要を創造していきましょう。