産地表示について聞いてきました!

エリアによって認識の差異6月、静岡→大阪→福岡→東京とグルインの旅に行ってまいりました。
今年の座談会では、「産地表示について、消費者はどんな見方をしているのか?」を知ることが一つの柱でした。
実際4箇所の行脚が終って、エリアによって認識も温度も差があるなあ!というのが感想です。
エリア別の特長をお話する前に、どんな風に座談会を進めたかと言うと、まず「狭山茶」「静岡茶」「川根茶」「宇治茶」「八女茶」「嬉野茶」「知覧茶」という当社の既製品のシールを貼った袋を並べて、「こんな風に売ってたらどうする?」という感じで導入しました。
次に、「どれを買いたい?」「知らない産地ある?」という風に話を進めるうちに、産地表示について一言ある消費者が語り始め(「TVで見たんだけど、産地の名前がついていてもちがう場所のお茶をブレンドしているって本当ですか?」という感じで)その内容に沿って、お茶が加工食品であること・ブレンドは昔からの茶業界の技術であること等を説明します。そして最後に「どう思う?」と自由に話してもらいました。

怒り沸騰、静岡エリア。

静岡では「70%以上入っていないと静岡茶と言わない、とニュースで言っていたが、100%じゃなければ消費者に対する背信行為!」というような怒りの声が続出。こちらが問題を投げかける前から、産地表示やブレンドの話題が出て来て、関心の高さがわかりました。一方、共同工場で購入する年齢層が高い人は、「お茶屋さんでは色々な場所のお茶をブレンドしていることなんて常識! だから自分の飲み茶は共同工場で買うのよ!」と鼻の穴を膨らませます。ブレンドに対しての評価は、4つのエリアの中で最も低く、「ごまかし」というニュアンスで話す人が大半。「きつねっぱ」という私が知らなかった言葉まで飛び出しました。

言いたい放題、大阪エリア。大阪では、年齢層によって意見が二分されました。年齢層の高い緑茶ヘビーユーザーは、TV等で緑茶のブレンドについても知っている人が多く、逆に麦茶一年中の子育て世代は緑茶に対する関心が薄いからか「産地表示、それなに?」という反応。ブレンドに対するマイナス評価は少なく、「〇〇園ブレンダー・〇村〇男の推奨するこくまろブレンド」という感じで情報公開してくれたらいいのに、という話の流れ。「そやな、ブレンダーの顔写真入りなんてどうやろ? ええオトコやったら、私は試しにこうてみる!」と大変な盛り上がりよう! そしてそこに「〇〇産〇%・〇〇産〇%」と正直に書いてあるのなら、漠然と「宇治茶」「静岡茶」というブランドで購入するよりも、ずっと信頼性が高いという意見でした。しかし、今回の報道までは「宇治茶はすべてお寺の鐘がごぉーんと聞こえてくるような場所に畑があると思っていた。」という三十代もたくさん生息していたこともお伝えしておきます。

クールな反応、福岡エリア。

おずおずと「何か八女茶の表示についてTVで聞いた気がするんだけど…。」と、内容は深く知らないが、何かあるらしい、というニュアンスの質問が出たのが福岡エリア。過去の座談会の経験では、八女茶に対するロイヤリティ(忠誠心)が高い地域と認識していましたが、産地静岡に比べるととてもクールな反応。「どこの畑かが問題なんじゃなく、売る側のお茶屋さんが把握しているかどうかが問題。」というスタンスでした。
「自分が購入するお茶屋さんがわかっていてブレンドするのはOK! でもお茶屋さんがおおもとの問屋さんに騙されていたらショック!」という発言もありました。

おいしきゃいいじゃん、東京エリア。一番関心が低く、「もともと産地なんて目安だもの。魚沼産て言ったって、本当にピュアな100パーセントは生産者しか手に入れられないのと同じで、私たち庶民の口に生粋の〇〇茶が入るワケないよね。」というノリで、最初から表示に対する信頼度が皆無に等しかった東京エリア。結局は「飲んでみて口に合えば、産地は関係ない。」という感じ。ギフトの時には、〇〇茶という産地ブランドを意識するけど、それも内容の信憑性よりもイメージを買うのだという割り切ったスタンスでした。