福利厚生費にずらす!

家庭内で事業仕訳?

デフレスパイラルと日々報道され、すっかり洗脳されてしまっているので、「お金を景気よく使うのは非国民みたいなムードがある」という発言まで出る座談会。実際には、一律にケチケチというよりも、家庭内でも事業仕訳がされているという印象を持ちます。一番見直しがキツイのは食費。安いものにシフトしている、というよりも、底値で買おうという意識が強烈です。たとえば、「○○ブランドのマヨネーズが○○gで○○円!本日だけの特別価格!」とPOPに書いてあっても、自分のケータイで底値を調べて納得してからカゴに入れるという感じ。つまり「グラム単価」のおトク感の目安。お茶で言うと、「○グラム増量」とか「○本購入すると○円引き」みたいな時を狙って購入します。
食費を握っているのは、かなりの割合で一家に一人・専業兼業に関わらず主婦ですが、この人たちのチェックはとても厳しくなっていると感じます。
 

食事から福利厚生費へシフト!

食費にカテゴライズされるお茶の多くは、「急須」で「茶の間」で「あったかい」を想定して商品開発されたお茶です。この3拍子のお茶は、量販店の棚を見ても明らかなように激戦区。たくさんのアイテムが競争を繰り広げています。
けれど、食費ではなくて、福利厚生費として打ち出すことが出来ると、底値競争から抜け出られる感じがします。
たとえば、同じペットボトルでもメタボ効果みたいな訴求があると、価格が高くても買われていますよね。あれは、普通のペットボトル飲料は食費のカテゴリーだけど、効能効果に価値を見出すと福利厚生費のカテゴリーに昇格するから。
座談会でもよくあるんですよ。あまり焙じ茶がメジャーでない地域の方が、「低カフェインぽかぽかの妊婦さん用」のお茶として焙じ茶を捉えると、食費ではなく福利厚生費なので、グラム単価で精査せずに購入している例。100グラム800円くらいはザラに支払っています。

総額から商品を考える

こういう時の商品開発のポイントは、原材料、加工賃、包装資材費、販売経費、と上積みしていくのではなく、「総額でいくらなら妊婦さんは手にとるかな?」「一人で飲むことが多いのだろうからティーバッグが使いやすいかな?」「マグカップで飲むだろうから、ティーバッグは大きめの○グラムにして、たっぷりマグカップ用と表示しようかな?」「ということはいくつ入れたら採算が合うラインかな?」という感じで、総額からスタートした方が、生活者実感に近い商品作りができそうです。