メロン箱サイズのバラエティギフトが大人気
座談会では、最後に20種類くらいのギフトを見せて、一人3票の持ち点で投票してもらいます。その後、どれを、いくらで、誰に、どんな用途で贈りたいか、を消費者の方にプレゼンしてもらうのです。今回の1位はミディアムパックの5本用箱。メロン箱のような立方体の箱です。なんと60人中、55%の人が一票を投じました。
中のお茶はティーバッグでなければイヤ、という方と、茶葉でOKという方、約半々に分かれましたが、共通していたのは、「お中元やお歳暮などのきちんとしたギフト」で使いたいという用途、「(ミディアムパックの)包装がかわいくて色々なお茶が試せそう」とバラエティに富んでいることを評価してくださったこと、「もし飲み切れないと思ったら人にあげられる」と一つひとつのミディアムパックに個包装されていることでもらった後の相手の行動やストレスにまでイメージを広げていることでした。
お茶の種類は、煎茶のバリエーションにとどまらず「和紅茶」や「ほうじ茶」もセットしたのですが、それが「楽しい」「ワクワクする」でも「ちゃんとしている」と評価されるのです。よくあるパターンの煎茶の平袋の詰め合わせが6%(全体60人中の1人)の支持だったことを思うと、品質一辺倒ではなく、見た目やバラエティで新しいお客様を掴むことの可能性を感じました。
茶器と一緒に茶葉は贈る
2位はフィルターインボトルのパーソナルサイズと和チャックの詰め合わせ(50%の支持)。3位はフィルターインボトルのファミリーサイズに一煎茶をフタの部分にセットしたギフト(43%の支持)。どちらにも共通しているのは「急須がなくても贈れる」「ペットボトル派に贈れる」「コーヒー党でも贈れる」という相手を選ばない汎用性の広さと、「新築祝いに贈りたい」「新生活スタートの時に贈りたい」「ママになった友人に贈りたい」「体調を崩した親戚に贈りたい」「定年退職した知人に贈りたい」という何かの記念のパーソナルギフトとして選ぶ人が多いのだな、ということ。1位の詰め合わせ箱との大きなちがいです。
セットするお茶も全員「茶葉」で、ティーバッグではありません。茶器と一緒に贈れば、お茶好き以外に茶葉を贈ることは可能です。そしてパーソナルサイズは手渡し、ファミリーサイズは発送する、というイメージで選ぶ方が多いのも特徴。サイズ感というのも、選ばれるかどうかの大切なポイントなんですね!
最初にパッケージを購入させる?!
新しい発見としては、不織布の巾着袋。子育て世代はハロウィンのかぼちゃ。孫を持つ世代は節分のオニの顔の袋。独身働く女性はクリスマス用のポインセチア。選ぶ袋はそれぞれ違うのですが、袋を150円から200円くらいで購入して、後は自分で好きなお茶やティーバッグやお菓子を自由に選んで詰めるイメージなのは共通しています。「贈る相手を想像しながら選ぶ時間こそがギフトなんだ」と力説される方もいて、これなら詰め合わせて準備する手間や、在庫が残った時のお悩みも少なそうですね。
実際にマチ付紙袋を1つ150円と銘打って、中身を自由にお客様に選んでいただくお茶屋さんが既に出現しています。若い女性の滞在時間が伸びるうえに、一人であれこれ悩んでいて接客に手が掛からないのでオススメとのこと。
内覧会で詳しくご報告しますが、和チャックを全種類並べて袋を選んでもらってからティーバッグを封入する、という従来の売り方の逆転の発想でチャレンジして若い世代を掴みつつあるお茶屋さんの事例もあります。たかがパッケージ。されどパッケージ。
日本茶に興味がなかった方が「日本茶っていいかも」と思い直すきっかけを、まずパッケージで作れたら幸いです。